九州ファーマーズクラブ日記
5/25
2012

究極のこだわりが生んだ絶品の九州 柳川うなぎ


備長炭手焼きうなぎ職人福岡県柳川市 江口良二さん

 

 

香ばしい薫りに誘われて、焼きたてのウナギを口に入れる。とたんに絶妙な甘みと旨みが口内に充満してくる。ふわっと軟らかな身、しんなりと噛み応えのある皮の食感が見事に溶けあい、舌にとろけていく。

「こんなに旨いウナギ、食べたことがない」と取材班の誰もが口を揃えて言う。ウナギが苦手と言っていた同行者も、いつの間にか顔がほころんでいる。「ウナギの匂いと皮のデロデロした感じが苦手。でもここのウナギには全くそんなところがない。これならいくらでも食べられる」

ウナギの焼き手は、備長炭手焼き職人の江口良治さん。福岡県柳川市に店を構えて20年、ウナギ職人としてのキャリアは40年近くにも及びます。

 

 

うなぎ生産者を吟味する確かな目

 

江口商店で扱うウナギはすべて徳島や鹿児島などの国内産、それも最高級品種のアンギラジャポニカ(日本ウナギ)のみ。旨みのある脂がほどよくのり、繊細で弾力のある軟らかな肉質が特徴だ。天然物も扱うが、信頼できる生産者から仕入れるウナギの品質は極めて高い。

「ウナギが良質なことはもちろんだけど、もっと大事なのは生産者の人間性。愛情を注がれて育ったウナギは脂がのって味もいい、仕事が雑な人間が育てればウナギも大味でいい加減になる。ウナギを見ただけで、生産者の顔が浮かびますね。まず人間を選ばないといけない。物を先に選んでも、後が続かないですよ」

 

 

ウナギが苦手という人は、ウナギ独特のにおいを嫌うことが多い。しかし、そのにおいには、ある理由があるらしい。

「ウナギの生産性を上げるために、エサに薬を混ぜることも多いです。よく日本のウナギは餌臭いと言われますが、これは成長を早めたり病気を予防するための薬が原因です。養殖場の視察では、薬を使っていてもその時だけ隠されることがある。だから、抜き打ちでアポをとらずに視察に行くんですよ」

 

水がウナギの品質を決める

 

俗に「日本のウナギは餌臭い、台湾ウナギは泥臭い、中国ウナギはカビ臭い」と言われている。これには養殖池の水質が大きく影響しており、泥だらけの池で育ったウナギは泥臭くなるという。

仕入後の水の管理も重要だ。江口商店のウナギ管理は「立てこみ」という手法で行われている。

「うちで使っている地下水はミネラル分がたっぷり含まれています。この水を籠の上から流し込んでやると、ミネラルをゆっくり体に吸収したウナギは健康になり、身も引き締まってきますね」

仕入先ごとに分けられたウナギが入った籠を数段積み重ね、2メートルの高さから水を落とす場所を立て場という。この立て場で、江口さんは日々ウナギをじっくり観察し水の量を調整している。

ウナギの品質管理は水だけにとどまらない。江口商店では毎年日本食品分析センターに依頼し、ウナギの分析結果から安全性も確認している。

「美味しく安全なウナギを安心して食べてもらう。これが一番大事なことです。毎年検査に出していると『なぜそこまでするんですか?』とよく言われますね(笑)。でも、僕としてはこれは当たり前のこと。すべてを自分で確認して納得して、それで初めてお客さんに出せるんですよ」

 

「焼き一生」の難しさ

 

ウナギ職人の世界には「裂き三年、串打ち八年、焼き一生」という格言がある。ウナギを裂いたり串を打つ技術はそれなりの修行を積めば一人前になれるが、焼く技術を完璧に身につけようと思えば一生かかる。この格言は、ウナギの焼き加減がどれだけ重要であるかを物語っている。

手焼きでまず大切なのは、ウナギに合った火力を作ることだ。江口商店では、クヌギなど柔らかい木の備長炭ではなく、更に高級で硬いうばめ樫の備長炭だけを使っている。火が通った炭は1000℃にまで達し、焼き網の表面は800℃。近寄って炭の上に手を差し出しただけで、火傷しそうなほど熱い。

「高温、短時間で焼き上げれば、身がぎゅっと縮まって旨みが閉じ込められる。炭に落ちた脂は燻煙と共にたち上ってウナギに絡みつき、香ばしさも違う。しかも中の身はふわっと軟らかい。他の備長炭ではこうはいきませんよ」

鮮やかな手つきでウナギを操りながら説明する江口さん。備長炭の上のウナギは、強力な火力で焼かれるだけでなく、同時に燻されてもいるのだ。

目の前で焼かれる6尾のウナギをじっくり見ていると、一尾ごとに焼き場所をずらしたり、二つに折って皮を伸ばしたり、重ねたり、それぞれ焼き方が異なっていることに気づく。非常に短い時間でウナギの質を見極め、個体差に合った最適な焼き方が見つけ出されていく。

「ウナギの見極めができないと、本当にそのウナギに合った焼き方などできません。ウナギはそれぞれ違うから、一つずつ焼き方が変わる。だから焼きは一生なんですよ。焼けたかどうかは、ウナギの身や皮から伝わる手の感触と、煙の色の変化などから五感全部を使って見極める。あとはお客さんに食べてもらって、どう焼いたらもっと美味しくなるか教えてもらうんです。一生勉強なんですね。」

九州柳川うなぎ(江口さんのうなぎ)

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